九州マンガ交流部会 第1回例会


7月18日19時より、北九州市立大学図書館AVホールにて,九州マンガ交流部会第一回例会『アフター・ “テズカ・イズ・デッド”マンガとマンガ論の現在』を開催した。『テズカ・イズ・デッド』の著者、伊藤剛(マンガ評論家)がマンガ論を講義し,それを 宮本大人(北九州市立大学比較文化学科助教授)が聞き質問するという対話形式での二時間にわたる部会となった。前半では,手塚治虫に影響を与えた初期マン ガのコマ割りと映画のフレームの関係(「同一化技法」など)が、後半では「ゆるキャラ」と呼ばれるキャラクターを通して、マンガという表現と身体性という メッセージの関係が、それぞれとりあげられた。全体で30名弱の参加者があり,質疑応答も活発に行われた。アンケートにはマンガ研究により興味を持ったと いう回答が多く、これからの部会活動に期待をよせるものであった。
部会活動終了後、二人のパネリストからは以下のメッセージをいただいた。

今回の例会は、ごくわずかの会員数でスタートした本部会の最初のイベントであった。内容的に充実したものになることは十分予想できたものの、平日の夜、市 街地からは少し離れた大学での開催であり、事前の告知も十分ではない中、どの程度の参加者を得られるか不安であった。しかしながら、当日は、開催地である 北九州市立大学以外の学生も含め、福岡・北九州地域から学生・大学教員から一般の方まで幅広い層の参加者を得ることができ、マンガ研究への潜在的なニーズ の広がりを感じることができた。(宮本大人)

マンガ研究において、それがどの地域で行われるかはたいした意味を持たないということを感じていました。ようは、程度の高い仕事が集積する場所があれば、 どこであれ、そこが「中心」となるということです。その点、九州には拠点となりうる大学が複数存在し、ひょっとすると首都圏や関西よりも可能性があるのか もしれない。漠然とですが、そんなことを思いました。(伊藤剛)

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