『マンガ文化 55のキーワード』(世界文化シリーズ・別巻)


竹内オサム・西原麻里(共編)
2016年2月25日発行
ミネルヴァ書房
定価2,600円+税

【内容】     ……(  )内は各項目の執筆者
まえがき
第1章 名称の変遷
1 ポンチ――海外からの影響(清水勲)
2 漫画――新しい表現をめざして(清水勲)
3 四コマ漫画――新聞に定着した形式(山口佐栄子)
4 絵物語――小説とマンガのあいだ(梶井純)
5 ストーリーマンガ――長編の物語が誕生(竹内オサム)
6 ギャグマンガ――新しい切り口を核に(斎藤宣彦)
7 劇画――青年が貸本屋に集う(三宅政吉)
・作品紹介「人の一生」「少年王者」「フクちゃん」
第2章 ジャンルの多様性
8 赤本漫画――大阪マンガ出版の革新性(中野晴行)
9 戦記マンガ――貸本と少年雑誌で大ブーム(梶井純)
10 スポ根マンガ――高度経済成長期のヒーロー(西原麻里)
11 ラブコメ――少女マンガに愛とユーモアを(日高利泰)
12 三流劇画――若者向けの性文化(高取英)
13 学習マンガ――戦前に生まれた〈教育〉ツール(伊藤遊)
14 ロリコンマンガ――美少女ものと結びついて(竹内オサム)
15 ヘタウマ――〈ヘタうまい〉個性で読者を快楽へ(斎藤宣彦)
16 レディスコミック――女性のロマンスと性表現(ヤマダトモコ)
17 エッセイコミック・実用コミック――重いテーマと簡略な絵柄(秦美香子)
18 ガールヒーロー――メイクアップして戦う美少女たち(西原麻里)
・作品紹介 「新寳島」「アタック№1」「タッチ」
第3章 作家と制作過程
19 アシスタント――戦後生まれの制作システム(雑賀忠宏)
20 編集者――名作の陰に編集者あり(夏目房之介)
21 トキワ荘――伝説となったアパート(雑賀忠宏)
22 プロダクション――マンガ制作の企業化(雑賀忠宏)
23 原作者――分業化が鮮明に(竹内オサム)
24 花の二四年組――少女マンガ革新の波(ヤマダトモコ)
・作品紹介「あしたのジョー」「ゴルゴ13」「ポーの一族」
第4章 テーマと表現
25 悲劇性――戦後マンガの新しさ(竹内オサム)
26 映画的手法――力動的な表現を紙上に(三輪健太朗)
27 マンガの記号――多様な表現を生み出す(三輪健太朗)
28 魔球――魔球と野球のミラクルな関係(夏目房之介)
29 キャラクター――いまここに生きている(足立加勇)
30 コマの重層化――人物の内面をクローズ・アップ(ヤマダトモコ)
31 少年愛――美少年たちの愛の物語(西原麻里)
32 やおい・ボーイズラブ――純愛とエンターテインメントの一大ジャンル(西原麻里)
・作品紹介 「ちかいの魔球」「風と木の詩」「純情ロマンチカ」
第5章 流通と産業
33 『漫画少年』――伝説となった漫画雑誌(山口佐栄子)
34 貸本屋――独自の雰囲気をもつ街の図書館(梶井純)
35 新書判・マンガ文庫――マンガ単行本の新形式(中野晴行)
36 『ガロ』と『COM』――かつてマニアックな雑誌があった(竹内オサム)
37 マンガ同人誌――誰もが自由に出版を(石川優)
38 コンビニコミック――新しい読者の開拓(中野晴行)
39 デジタル(ウェブ)コミック――今後の産業の模索(秋田孝宏)
40 MANGA,漫畫――海外にもその名前が(猪俣紀子)
・作品紹介 「ねじ式」「ジュン」「忍者武芸帳」
第6章 読者と社会現象
41 マンガミュージアム――マンガ文化の普及と保存(伊藤遊)
42 マンガ喫茶――時代の変化とともに変貌(陳曦子)
43 オタク・腐女子――メディアによるイメージ(堀あきこ)
44 萌え――マンガ・アニメに読者がいだく心情(石川 優)
45 コミケ――マンガ同人誌即売会の誕生(霜月たかなか)
46 聖地巡礼――物語と現実が重なり合う(表智之)
・作品紹介 「うる星やつら」「けいおん!」「Axis powers ヘタリア」
第7章 規制と事件
47 児童読物改善ニ関スル指示要綱――戦前の児童文化統制(浅岡靖央)
48 悪書追放運動――漫画というだけでダメ!(竹内オサム)
49 有害コミック問題――性表現の問題視と規制(堀あきこ)
50 貸与権――マンガという“商品”の法的保護(霜月たかなか)
51 マンガ論争――議論のネタはさまざま(小山昌宏)
・作品紹介 「のらくろ」「月光仮面」「ハレンチ学園」
第8章 マンガと他のメディアとの相関
52 外国マンガ――日本の漫画に多大な刺激を与える(徐園)
53 アニメ――人気作品を原作に(小山昌宏)
54 実写映画――映画産業界が熱い視線を(秋田孝宏)
55 ゲーム――物語を消費する楽しみ(小山昌宏)
・作品紹介 「AKIRA」「寄生獣」「遙かなる時空の中で」
参考文献

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