『ロボットと 近現代文学、戦後マンガにおける人工的身体の表象分析』


山田夏樹
[発行]立教大学出版会 [発売]有斐閣
2013年3月30日発行
定価:4200円
ISBN978-4-901988-23-0

[目次]
はじめに
第1部 <大きな物語>と人工的身体―<記号の身体>/<生身の身体>の流動性

第1章 <生身の身体>の前景化の過程―手塚治虫、横山光輝、梶原一騎
1 ロボットとジェンダー―メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」、手塚治虫「手塚治虫」における「不完全な身体イメージ―
2 少年と希薄化する身体性―横山光輝「鉄人28号」における「兵器リアリズム」の導入―
3 ステレオタイプと「野球ロボット」―梶原一騎原作/川崎のぼる作画「巨人の星」における「日本人」表象の批評的視座―

第2章 <記号の身体>の顕在化―藤子不二雄A、藤子・F・不二雄
1 科学信仰の終焉と非<表現史>―藤子不二雄A、藤子・F・不二雄作品における<子ども>像―
2 消費社会と『月刊コロコロコミック』―藤子・F・不二雄「ドラえもん」における「セカイ系」的想像力―

第2部 <偽史>と人工的身体―アメリカ、アジアの中の<日本>
第3章 <偽史>の創出とその戯画化―中上健次、村上龍
1 被占領と人工性―村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」における核の反復―
2 <偽史>とマンガ表現―中上健次原作/たなか亜希夫画「南回帰船」における「日本人」表象の批評的視座―
3 「路地」の廃棄と文体の変容―中上健次「讃歌」における「サイボーグ」性―

第4章 <サブカルチャー的想像力>とその臨海―村上春樹
1 「歴史」化の断念と<空白>―村上春樹「風の歌を聴け」におけるデレク・ハートフィールドの形成―
2 「繰り返し」と「それだけ(のこと)」―村上春樹「1973年のピンボール」における<出来事性>―
3 「満州国」にまつわる暴力性と<ノンフィクション>の<虚構>性―村上春樹「アンダーグラウンド」における「総括」の方法―

補 編集される記憶と「家族の物語」―小川洋子「博士の愛した数式」におけるサイボーグ的表象

あとがき

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