『岡崎京子論 少女マンガ・都市・メディア』


杉本章吾
新曜社
2012年10月24日発行
定価:3570円
ISBN978-4-7885-1306-8

[目次]
序章
一 少女と少女マンガ
二 少女と消費社会
三 <少女マンガ>の拡散と多様化
四 岡崎京子
五 本書の構成

第一章 <少女マンガ>をめぐる言説空間
一 <少女マンガ>言説の歴史化の試み
二 <少女マンガ>言説の黎明期―石子順造の少女(マンガ)論
三 「ぼくら」と<少女マンガ>―「<わたし>語り」世代の<少女マンガ>論
四 「わたしたち」の<少女マンガ>―「少女」共同体の前景化
五 <少女マンガ>をめぐる言説空間の<ねじれ>と問題

第二章 郊外化された<少女マンガ>―『ジオラマボーイ・パノラマガール』論
一 ニューウェイブとの出会い
二 「郊外」という舞台設定
三 内閉化する郊外家庭空間
四 ボーイ・ミーツ・ガール≠ボーイ・ラブズ・ガール
五 演技空間としての「郊外」
六 「少女」という心性の肯定

第三章 消費社会と女性―『pink』論
一 都市空間のなかの女性
二 <消費>の内面化
三 「かわいい」帝国/消費される外部
四 「脱出」の頓挫
五 <消費>への礼賛/批判

第四章 「少女」の「繭」としての東京―『東京ガールズブラボー』論
一 八○年代は「スカ」だったのか?
二 「東京」≒「トーキョー」
三 反復する物語構造
四 「スキゾキッズ」の「逃走」と「内閉」
五 「部屋」という「少女」の「繭」
六 「少女」と八〇年代

第五章 「文学性」の脱構造―『リバーズ・エッジ』論
一 「文学」的マンガとしての『リバーズ・エッジ』
二 マンガにおける「文学性」―<少女マンガ>と<内面>性
三 言葉にみる<内面>の位相
四 「顔」にみる<内面>の位相
五 「噂」として流離する<内面>
六 「つながりの社会性」のなかの<内面>

第六章 <内面<と代弁/表象のポリティクス―「チワワちゃん」論
一 代弁/表象される<内面>
二 「公」と「私」の対比
三 代弁の頓挫
四 代弁のモンタージュ化
五 ゆらぐ解釈
六 問題化される若年女性―女子高生・ブルセラ・<内面>の欠如

第七章 <美>の共同体を越えて―『ヘルタースケルター』論
一 消費社会における<美>
二 <美>の神話的イメージ
三 美容整形と身体の断片化
四 <少女マンガ>と美
五 感情移入の抑止
六 「タイガー・リリィ」≒「ミニ・タイガー・リリィ」
七 メキシコへの越境
八 <少女マンガ>への両義性

終章
一 各章のまとめ
二 「少女」表象の両義性
三 喪失されたものとしての「少女」
四 グローバリズムのなかの少女・女性
五 おわりに

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