カトゥーン部会2018年度第2回研究会


カトゥーン部会の皆様
2018年度第2回部会研究会を以下のように行います。
宜しくご参集ください。
茨木正治(部会責任者)

  1. 日時
    2018年12月8日(土) 13:00~18:00
  2. 場所立教大学12号館3階社会調査室
  3. 報告者1:池上賢さん(立教大学)
    論題:「マンガ読解過程に関する比較調査――実験インタビューの結果から」
    概要:筆者はこれまで、日本社会においてマンガというメディアに関わる経験が、人々にとってどのような意味を持ち得るのか研究を続けてきた。また、その一環として、マンガの読解がいかにして行われているのか分析を続けてきた。
    本報告では、筆者が2017年に行ったマンガ読解に関する実験調査のデータを分析する。このデータは、マンガの読解において、協力者のマンガとの接触頻度の多寡と、世代がどのように影響するのかを検討したものである。実験の実施に当たっては、マンガを良く読む10代、マンガを読まない10代、マンガを良く読む30代、マンガを読まない30代、以上の4つのグループを構成し、グループ毎にマンガのテクストをどのように読み解いているのか記述した。
    本研究では、すでにマンガの関する接触頻度の違いにより、読解の際に参照する知識が異なることが明らかにされている。本報告では、さらに世代の違いによるマンガ読解の差異を検討するものである。
    報告者2横田吉昭さん
    論題:「オスマン帝国時代の風刺漫画に見られる庶民の不在――近代化されつつある非西欧社会における西洋文化としての漫画の受容の様相――」
    概要:「風刺漫画は、庶民による体制の批判手段」もしくは「風刺漫画は、体制に問題があるほど活発化する」といった言説は、ある程度一般的なものになっているようである。しかし、漫画が様々な事象を相対的に可視化するという機能からは、必ずしもその製作者と受容者はいわゆる庶民に限られないと思われる。また、庶民と言う存在が、体制側の権力者などから差異化されることで浮かび上がることからも、「漫画が庶民のものである」という前提は自明のものではないと言えるだろう。実際に、オスマン帝国では1867年から近代化の一環として西洋的メディアである新聞・雑誌に包含されて導入された。また、当時10%に満たないとされる識字率の低さから、それらに触れることができるのは、一定の教育を受け層に限られていた。また、その批判機能から、知識人だけでなく政権の一員もが印刷メディアを活用した。漫画の運営・受容者の主体は政権に近いインテリ・エリート層だったのである。その状況下において風刺漫画はどのようなものであり、庶民はどのように対象化され、題材化されていたのか。その様相を示すことで、風刺漫画とは、誰が、誰のために、誰を風刺するのかという主体と客体の問題を考える一例としたい。
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