関西交流部会 第7回例会


日時>>2005年12月18日(日)14時~17時
場所>>大阪府立国際児童文学館セミナー室(万博記念公園)

南谷秀和氏、加藤泰三氏、村上知彦氏
「山上たつひこ氏の初期作品と1960年代の同人活動」
参加者/14名

■概要
  加藤泰三氏の司会および解説の下、高校時代、山上たつひこ氏が所属していた大阪の同人サークル「大和劇漫画研究会」のリーダーであった南谷秀和氏から、当時の山上氏と同人活動についてお話をいただいた。その際、南谷氏が保管されている、山上氏デビュー当時の習作「十三分間」(1965)の生原稿をみせていただいたのは、貴重な経験であった。また、ガリ版印刷による同人誌というメディアの制限(ガリ版を扱うには熟練のスキルが必要である)が、ストーリーマンガよりもイラスト投稿主体の冊子を作らせ、他サークルとの「交友会」においても、印刷技術の情報交換を重要にした、という話を、制作者ならではのリアリティをもって語ってくださった。
  大阪の貸本出版「日の丸文庫」にも作家・編集として関わっていた南谷・山上両氏の話からは、マンガ史の中で大阪のマンガ業界が非常に重要な位置を占めているのかもしれないことが窺えた。そして、プロ/アマの境界がはっきりしないその業界を支えていた重要な柱のひとつが、当時隆盛の同人活動(を含めたファン活動)だったようである。
  「山上たつひこ選集」(双葉社)の編集に関わられた村上知彦氏からは、『COM』「全国まんが同人誌」特集(1968年4月号)をもとに、当時の同人活動の状況を解説・分析していただいた。(文責/伊藤遊)

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