カトゥーン部会2008年度第3回研究会


日 時:2009年1月31日(土)14:00~17:00
場 所:日本キリスト教会館6階3号室(中会議室)
報告者:池上 賢(立教大学大学院 社会学研究科 社会学専攻 博士課程後期過程)
報告題目:マンガ経験の社会学へ

報告概要
本報告では、社会学・メディア論において、マンガを研究する意義・視座について再検討した。発表者は、従来のマンガ論において読者がほとんど論じられてこ なかったという問題点を踏まえ、まずマンガ読者を包括的にとらえることが、読者自体の細分化や読みの多様性などを考慮すると、困難であることを指摘した。 その上で、先行の社会学におけるマンガについての論考を検討し、マンガが現実解釈の枠組みとなり、共有されやすいことを指摘した。そして、社会集団として のマンガ読者の実態ではなく、マンガを通じておこなわれる社会的文脈への関与を、質的な調査法により分析すべきであると主張し、その研究がオーディエンス 研究に寄与するものであると指摘した。
その後、質疑応答・議論が行われ、マンガが流通する媒体や表現上の特徴に言及する必要性があることや、世代における共有とテキストを読み解き理解できる 我々という意味での共有を、区別して論じる必要性があること、などが指摘され、様々な視点から活発な議論が行われた。

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