海外マンガ交流部会 第3回海外マンガ読書会


ビルギット・ヴァイエ『マッドジャーマンズ ドイツ移民物語』山口侑紀訳(花伝社、2017年)

日時:2019年4月14日(日)14時~16時30分
場所:専修大学神田校舎7号館(大学院棟)8階781教室
(会場までのアクセス)
参加費無料・申込不要(直接会場にお越しください)

第3回海外マンガ読書会の対象作品としてとりあげるのは、ドイツの社会派グラフィック・ノベル、ビルギット・ヴァイエ『マッドジャーマンズ ドイツ移民物語』山口侑紀訳(花伝社、2017年)です。南アフリカの隣国モザンビークからのドイツ移民たちの人生・生活に焦点を当てたこの作品からは移民問題の実態が浮かび上がってきます。東ドイツでは1970年末頃から労働力が不足するようになりモザンビークからも2万人の出稼ぎ労働者を受け入れてきた背景があります。ケニア・ウガンダ育ちの作者は、かつて出稼ぎ労働者であった「マッドジャーマンズ」たち(「ドイツ製」を意味する現地語)への聞き取り調査を行い、架空の3人の人物の語りとして再構成して『マッドジャーマンズ ドイツ移民物語』にまとめあげました。日本を含む現在の世界情勢の中で移民にまつわる社会問題について考える格好の素材となることでしょう。様々な人生模様、青春物語としての側面もこの作品の魅力です。
3人の主人公たちの移民としての人生がどのように描かれているのか。記憶・回想の表現法、深刻な歴史や辛い体験、社会問題を幅広い読者に届けるための効果的な手法、英語圏ともフランスのバンド・デシネとも異なるドイツ文化圏によるマンガ文化の状況、人類学や文学などの領域との比較参照など読みどころに満ちています。この作品の人物たちの語りがなぜ私たち読者の関心を強く引きつけるのでしょうか。もっとも印象深いエピソードはどのようなものでしょうか。意見や感想をお互いに語り合ってみましょう。
どなたでもご参加いただけます。お気軽に直接会場にお越しください。翻訳者である山口侑紀さんもご参加予定です。多くの皆様のお越しをお待ちしております。

【参考】
<花伝社HP(訳者・山口侑紀さんによる紹介文)>

カテゴリー: 海外マンガ交流部会, 部会