『少女マンガジェンダー表象論 <男装の少女>の造形とアイデンティティ 増補版』


押山美知子
彩流社
2013年1月15日発行
定価:2200円
ISBN978-4-7791-1852-4

[目次]
第1章 <男装の少女>キャラクターの出発点 ― 手塚治虫『リボンの騎士』
第1節 <男装の少女>の誕生
第2節 サファイヤの造形
第3節 サファイヤの<性別越境>
1 女性サファイヤ
2 男性サファイヤ
第4節 <性別越境>の果て
第5節 「少年クラブ」版サファイヤと宝塚歌劇の「男役」 ― <性別越境>に見る接点
第6節 『リボンの騎士』の新たなる展開 ― 続編とリメイク版
1 掲載誌と連載形態
2 表現技法的発展 ― キャラクター造形とジェンダー表象
第7節 続編とリメイク版における<性別越境>
1 引き継がれるものとしての<性別越境>―続編・ビオレッタ
2 浮上する<男装の少女>の身体性 ― リメイク版・サファイヤ

第2章 「傍流」としての<男装の少女> ― 水野英子『銀の花びら』
第1節 <男装の少女>ものの停滞期 ― 黎明期少女マンガと戦後少女小説
第2節 「悪書追放運動」と「自主規制」
第3節 六〇年代の<男装の少女>と「自主規制」
1 村野守美『まぼろしチャオ』と峯岸ひろみ『じゃじゃ馬キティ』
2 わたなべまさこ『お山のおくの物語』と細川千栄子『マイラブ』
3 保谷良三『夕月城』
第4節 少女小説的世界からの飛躍 ― 水野英子『銀の花びら』

第3章 <男装の少女>の成長 ― 池田理代子『ベルサイユのばら』
第1節 週刊誌時代と新人マンガ家たち ― 萩尾望都『雪の子』
第2節 『ベルサイユのばら』と<男装の少女>オスカル
1 作者・池田理代子と『ベルサイユのばら』連載開始までの経緯
2 キャラクターの容姿造形の変化
3 オスカルの造形
4 オスカルの<性別越境>の過程
5 オスカルの自己確立 ― 「人間」という存在
6 神話的存在としてのオスカル
第3節 掲載誌「週刊マーガレット」にみるジェンダー表象
1 『ベルサイユのばら』連載時の投書から
2 『ベルサイユのばら』連載時における他作品の傾向

第4章 <男装の少女>の反復と再構築 ― オスカル以降の<男装の少女>
第1節 森川久美『ヴァレンチーノ・シリーズ』
第2節 曽祢まさこ『不思議の国の千一夜』といがらしゆみこ・栗本薫『パロスの剣』
第3節 木原敏江『とりかえばや異聞』
第4節 さいとうちほ・ビーパパス『少女革命ウテナ』

補章 <男装の少女>その後―ゼロ年代の<男装の少女>
第1節 葉鳥ビスコ『桜蘭高校ホスト部』
第2節 水城せとな『放課後保健室』

あとがき
増補版あとがき
参考文献一覧
仕様図版出典一覧

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