関西交流部会 第11回例会


日時>>2006年4月8日(土)14時~17時
場所>>中華料理店「菊華」内貸部屋 (中津)

村木美紀氏(夙川学院短期大学)
「事例報告:広島市まんが図書館の現状」
参加者/10名

■概要
  今例会は、「広島市まんが図書館」へ足を運ばれた村木さんに左館の概観と現状をご報告いただけた。
  広島市では中央館とこども図書館以外の運営は広島市文化財団に委託されており、まんが図書館もその運営下にある。立地的に特殊な場所にあった利用者数の減少した図書館を活性化するため、マンガ専門に特化し、現在では年約20万人の入館者を数える。反面、約8万冊の蔵書に対し約300㎡の場所しかないことで、開架方法や閲覧席の不足による弊害も起こりうるようである。充実した新刊雑誌類や書棚、展示物など多くの館内写真もあわせて提示され、参加者の理解の一助となった。
  以下私見だが、貸出しや自館でホチキス補強といった本の装備もおこなっているため、職員はそれらに時間をとられ、正規の職員数の問題とあわせて、マンガに関する専門性を獲得しにくい面も感じられた。まんが図書館の運営目的は、「漫画文化の発展に寄与する」ことをのぞけば基本的に普通の図書館と同じである。その点で、独自のホームページ作成によるPR、隣接する美術館や映像文化ライブラリー、毎年市内で開催される「国際アニメーションフェスティバル」との相乗的な展開などを考慮しつつ、報告のなかでも述べられたが館自体が専門施設として、今後、より明確な方向性を意識していくことが求められるだろう。(文責/稲垣輝)

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