関西交流部会 第2回例会


日時/7月9日(土) 15:30~17:30
会場/西宮市大学交流センター(西宮北口)
スピーカー
  村木美紀さん「図書館でのマンガの取り扱い-公立図書館を中心に」
  北村哲也さん「私家版「マンガ研究書年表」の紹介」
参加者/15名
概要
  村木美紀さんからは公立図書館でのマンガの取り扱いの現状とその問題点について話題提供がなされた。図書館の蔵書分類体系の中でマンガが独立した項目でないために継続した購入が行われづらく、配架形態も館ごとにまちまちであることや、書評や年鑑などの参考情報が新刊マンガの膨大な点数に比して少なすぎるため、マンガに詳しい職員のいない館では購入が難しいことなどが指摘され、活発な議論が行われた。マンガの収集・保存に関しては、研究機関の蔵書やプライベートコレクションを想定して議論されるのが通例であり、研究機関や個人コレクターがその理念に沿ってどのような蔵書体系をあらかじめ設定していたか、がもっぱら問われる。しかし行政サービスとしての公立図書館は、保存ではなく運用に主眼をおいて、利用者のニーズにそって絶えずその蔵書体系を変化させていく。その観点からの議論はマンガ研究ではあまり行われることがなく、その意味でも刺激的な場となった。
  北村哲也さんからは年表形式のマンガ研究文献リストが提示されたが、ほとんどの文献に実際に目を通した上での作成とのことであったので、単なる目録ではなく文献解題的なものを目指してはどうかなど、参加者から様々な意見が寄せられた。今後いっそうの充実が期待される。
  また例会の翌日には、京都府貸本屋組合長・田代氏の紹介により、同組合の月例会を有志5名で見学し、マンガ流通の現状についての見聞を広めた。(文責/表智之)

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