カトゥーン部会2006年度第7回研究会


Ⅰ日時  2007年2月24日(土) 14:00~17:00
Ⅱ場所  関西大学尚文館5階503演習室
Ⅲ報告者 岡部拓哉氏(放送大学 全科履修生)
Ⅳ報告題目 地方紙で読む政治漫画
Ⅴ報告
地方紙の政治漫画(新聞に定期的に掲載される一こま漫画)は、その対象(国政・県政や地元の出来事)や作者(漫画家・新聞社員・投稿作品など)において、多様である。
本報告では、地方紙に見られる政治漫画の掲載状況を紹介し、その中から個別の地方紙(北海道新聞、都政新報、信濃毎日新聞、宮崎日日新聞、沖縄タイムス、 琉球新報など)における政治漫画の現状及び特色が指摘された。概況では、関東・関西圏、夕刊なしの地方紙に政治漫画が掲載されていなかった。通信社配信の 政治漫画を掲載する地方紙でも、複数の地方紙に掲載される政治漫画と、単独の地方紙に掲載されるものとが見られた。また、県政や地元の出来事を扱う政治漫 画は、国政を扱うものと相互に掲載されたり、独自に掲載されたり様々であった。
こうした状況を踏まえて、個々の地方紙掲載の政治漫画を分析する報告を聞き、様々な意見が出された。それに接して、政治漫画の新たな枠組み・役割がおぼろ げながら浮かんできた。それは、政治(参加)の活性化と政治漫画の活性化はパラレルではないかいうことである。それは、県政を描く独自の政治漫画を掲載す る地方紙の政治漫画(「都政新報」も含めて)に、とくに国政と県政とがリンクされている政治的出来事についての政治漫画に、エネルギッシュなものを感じた からである。身近な政治的出来事が国政とつながっている、そうした意識が、「道のりの遠さ」を感じて諦めにつながるか、変化をめざす積極的な参加につなが るか評価の分かれるところではある。しかし、また、読者投稿や記者作品と言った「アマチュア」作家の作品を積極的に掲載させることは、一種の「メディア・ インターンシップ」なのではないかとみなせば、後者の可能性は高まる。描くことの楽しみを通じて、読みのリテラシーも高まり、政治参加への認識も増すと考 えられるからである。
(文責 茨木正治)

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