カトゥーン部会2004年度第1回研究会


以下のように第1回研究会が行われた。
1 報告者:増田のぞみ(関西大学大学院)
2 報告題目:「少女雑誌の誌面構成―少女マンガ前史を考える」
3 日時:2003年10月26日(日)14:30~17:00
4 場所:関西大学尚文館(大学院棟)411教室
5 研究会報告
少女マンガを考察するにあたり、その母体となった少女雑誌がマンガを受容した過程を明らかにすることが示された。その前史となる時期(昭和初期から20年代)の「少女倶楽部」に登場した、小説の挿絵、抒情画、コママンガを分析対象とし、文字情報との関係からいくつかの知見が報告された。とくに、この時期のコママンガは、長方形の規則的なコマによって構成され、他のイラスト群の不定形で自在なものと比べ異質である。60年代以降の少女マンガへの連続性は後者のイラスト群にあるのではないかという指摘がなされた。参加者(3名)からは、「少女マンガ」という名称やジャンルの確認や、イラスト群は、映画表現の技法との関連があるのではないかという指摘があった。その後、報告者が提起した、定型的なコママンガと後の「少女マンガ」との関連について、コママンガやイラスト群にみられる形態的な属性(まつげの長さなど)から接近したが、時間の関係で今後の検討課題となった。(文章責任 茨木正治)

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